空調冷却システム「エアポレーター」とは?

自然の原理を利用した冷却システム。

室外機本体を冷却することで消費電力を大幅に削減し

地球温暖化対策に貢献します。

特徴

1消費電力を抑制し、電気料金のコストダウンに

室外機本体を水で冷却することにより、熱交換効率を高め、ムダな電力消費を抑えます。

2冷房、冷却能力の向上

室外機の吸気温度が大きく下がるため、冷却機能の効率を下げず、節電にも繋がります。

3空調機器への負担が軽減され、寿命が延びる

直接の散水や、熱がこもらないので空調機器への負担が少なく、寿命が延びます。

4デマンドピークカットが可能に

真夏の空調機器の稼働ピーク期に電力使用量が低減することで基本料金が下がります。

5高圧カット防止

室外機本体の温度を下げることで、夏の高圧カットを防ぎます。

6エコで環境にやさしい

水を循環させ水蒸気として冷却をするので、最小限の水量で稼働が可能です。

仕組みと構成

 

①エアポレーター本体には、図右下に表示されている「特殊構造フィルター」が設置されています。このフィルターは浸透性のある紙素材なので給水分が水蒸気となり室外機の吸気温度を下げ、真夏時の空調機器の省エネに貢献します。

蒸発しなかった水はそのまま③循環式給水タンクへ戻り、また②給排水パイプを通り、①エアポレーター本体へ給水します。

これを繰り返し、給排水は②循環式給水タンクで一定量無くなった蒸発分を補給するだけなので、最小限の水道量で稼働します。

エアポレーターは廃棄の際も古紙の扱いとなるため、処分も簡単です。 枠とフレームはアルミと鉄製なので、こちらもリサイクル処分が可能です。

 

効果

室外機の状態
サーモグラフィー
エアポレーター 無し 有り
輻射熱・直射日光 有り 無し
フィン温度(℃) 41.9 21.1
吸気温度(℃) 39.0 28.0

エアポレーター無しの時、輻射熱・直射日光ありでフィンの表面温度が41.9℃

エアポレーター有りの時、直射日光を遮断し、エアポレーター本体の表面温度は21.1℃

この時、エアポレーター本体と空調室外機の間は28.0℃だったのでエアポレーターシステムの有無で約9℃も差があり、明らかな温度の変化が分かりました。

エアポレーター本体が設置されたことにより空調室外機を直射日光から守り、高温や熱のこもりが原因で起こる高圧カットも発生しなくなります。

 

省エネ効果・デマンドピークアウト

使用電力量の推移

真夏のピーク電力使用量が低減することで、電気使用基本料金が下がります。

夏の最も暑い、電力の逼迫する時間帯に最大能力を発揮し室外機の熱交換効率を高めることでムダな電力の使用を抑えることができます。

また夏場に発生しやすい高圧カットの防止にも繋がります。

 

従来品との違い

散水式の冷却装置はこのようにカビや腐食、サビとなり、空調機器本体の寿命を縮める原因となります。

腐食してしまったアルミフィンは剥がれ落ち、冷媒管が露出し電気使用量の増大、冷却効率の低下、高圧カット発生の恐れがあります。

エアポレーター

  • 現在お使いの室外機に後付け設置が可能
  • エアポレーター本体が室外機を守り本体温度の上昇を抑制
  • 直接水をかけず冷却が可能
  • 室外機の吸気温度が下がるので冷房能力が上がる
  • モーターの総回転数が減るため、空調機器の寿命が延びる
  • エアポレーター本体の面積が大きいので能力が大きい

従量電力及びデマンドが大きく下がるため

電気料金が
下がります

室外機の吸気温度が大きく下がるため

冷房能力が
上がります

モーターの総回転数が減るため

空調機の寿命が
延びます

エアポレーターシステムの目標

エアポレーター本体を通過した空気の目標が湿度100%

温度と湿度は相関関係にあります。

水が蒸発すれば気化潜熱効果により、温度が下がります。

さらに水と空気が触れ合うことで顕熱効果も加わり、内側温度はさらに下がります。

空調室外機に対するアシスト能力は 夏の気温・設置場所の状況・空調室外機の劣化状況・使用頻度・メーカーの形など、さまざまな条件によって変わってきます。

しかし、空調室外機の吸い込み口につけるエアポレーターシステムの目標は湿度100%であることです。

 

温度と湿度の関係性

温度(℃)

湿度(%)

 

吸込温度の変化に伴う電力比

冷房入力線図

より高い気温の方が下がる温度幅が大きいので、効果が顕在化する温度条件の悪い所を優先的に設置しています。

上のグラフは大手電機メーカーの空調機の性能曲線です。

横軸が吸い込み温度、縦軸が消費電力です。

外気温度の上昇と共に消費電力も上がりますが、このように一定ではありません。

高い温度の上昇角度と低い温度の上昇角度は違います。

このため、輻射熱や風通しが悪く40度を超えるようなところでは高圧カットが発生します。

空調室外機に対するアシスト能力はさまざまな空調機側の条件によって変わり、常にクリーンで気化能力は最大の冷気をムラなくフィンに送ります。

エアポレーターシステムは、より高い気温のほうが下がる温度の幅が大きいので、効果が顕在化する温度条件の悪いところを優先的に設置するようにしています。

 

消費電力量(従量電力)の変化

エアポレーター未設置年度との消費電力量比較グラフ

これはエアポレーターシステムを設置したスーパーマーケット全体の消費電力量を表したグラフです。

未設置の過去2年と比較し、消費電力量の削減が顕著に現れています。

この中には空調機以外の電力も約50%含まれていますが、それでも効果は歴然です。

エアポレーター未設置の過去2年が赤色、エアポレーター設置の今年度が青色です。

さまざまな外的要因があるのでエアポレーターシステムだけでどれだけの削減効果があったかは明確に提示出来かねますが、お客様には十分納得 していただける金額が削減されました。

 

デマンド(基本料金)の変化

エアポレーター設置店のデマンド(基本料金)変化

上図はエアポレーターシステムを設置したスーパーマーケット全体のデマンドを表したグラフです。

消費電力量の推移と同様にデマンドの削減にも繋がります。

エアポレーターシステムは、その性質上デマンド削減能力が大きい装置で夏の最も暑い、電力の逼迫する時間帯に最大能力を発揮します。

これは社会的に見ても、大規模な電力消費量のピークカットになっています。

スーパーマーケットは人件費の次に電気代がかかると言われており、特に夏に大きなデマンドの出るスーパーマーケット業界にこのシステムを導入できれば、地球温暖化対策にも貢献できると考えています。

お客様と取り組むSDGs
エアポレーター設置でSDGs宣言!!

エアポレーターシステムは省エネ効果を高く評価され2022年度省エネ大賞

(主催:一般社団法人省エネルギーセンター、製品・ビジネスモデル部門)において、「省エネルギーセンター会長賞」を受賞しました。

設置、メンテナンス等について

設置場所

エアポレーターシステムは、既存の室外機へも設置が可能な空調冷却システムですが、全ての室外機に取付られるものではありません。

エアポレーター取付には、室外機の吸気口から約20cm、地面と室外機の高さも30cm程度は必要です。このため、周囲環境によっては設置が難しい室外機もあります。

室外機はどの建物にも必ず設置されており、比較的簡単に設置が出来るところを優先的に進めています。

また施工は室外機に取付けるだけなので、店内側の工事は不要です。

エアポレーター設置前

エアポレーター設置後

エアポレーター本体の取替時期

5年に1度の交換をおすすめします

日陰効果も兼ねているエアポレーター本体は、屋外の紫外線が当たり劣化します。そのため、およそ「5年に1度」の交換が必要です。

また定期的なメンテナンス(清掃含む)も必要ですが、設置後は弊社にてメンテナンスを行いますので、ご安心ください。

現在設置済の約100ヶ所の店舗様とは全てメンテナンス契約をしております。

 

価格について

エアポレーターシステム、水道料金、メンテナンス料金のトータル金額が最大3〜4年で償却できる金額を目指しています。

焼却後からは利益が生まれるので、安全な自己投資です。
※室外機の寿命が短い場所への設置はおすすめできません。

エアポレーターシステムは、利益が出るからこそ続けやすい、「持続可能な省エネ活動」であり、企業のSDGsの一環です。

産業廃棄物について

エアポレーター主要部材は産業廃棄物になりません。

エアポレーターの特殊構造フィルターは、元が紙素材のため古紙として処分できます。また、枠とレールについてもアルミと鉄製なので、リサイクルとして処分しています。